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Vol.16 JICA海外協力隊の理学療法士・作業療法士が登壇「公開セミナー」を開催しました(4)
薬ゼミ情報教育センター国際事業部がJICA(独立行政法人国際協力機構)の協力を得て、2024年7月6日(土)にハイブリッド開催した「世界で活躍するリハビリ職種から学ぶ【公開セミナー】」。今回はレポート第4弾です。
レポート第4弾の今回は、海外での活動で大変だったことや日本での経験がいかされたエピソードを具体的に聞いてみましょう。
海外での活動で大変だったことは?
- 奥平先生
-
ウズベキスタンに行き、脳卒中の概要・特徴・日本での取り組み方を講師として伝えさせて頂きました。参加者から「このような場合はどうする?」など治療的な質問が多かったことが印象的でした。治療は重要ですが、理学療法士としては身体の変化を適切に「評価」した上での介入が重要になってくるということをどう伝えるかに苦戦しました。
評価→仮説→治療の繰り返しの流れを理解いただくのが難しかったですが、数日の研修で日を追うごとに質問の内容が変わってきました。日本の取り組み方が広がって、一歩一歩変わって行けば嬉しいですね。
現地研修の一場面。脳卒中患者の評価と基本動作の観察手法について熱心に学び、質疑応答が絶えない参加者の姿が印象的でした。
- キルギス 和田さん(作業療法士)
-
キルギスは時間がゆっくりで、スタート時間があまり決まっていません。また、回診への同伴が中止になったり、同僚との話し中に電話がかかってきて「5分待って」と言われたものが20分待ち続けたり、現地の時間に合わせることに最初は苦労しました。
現在は、都合が合えば同伴する、長く待ちそうなら待たないなど、状況に合わせた柔軟な対応をしています。
- ウズベキスタン 赤嶺さん(理学療法士)
- 私は、言語の習得が一番大変でした。詳細な会話ができないし、私生活では量り売りの多いウズベキスタンでの買い物にも困るし…と。でも、何とか生きているし、少しずつわかるようになっています。皆さんがマイナーな言語の国で暮らすことになっても大丈夫なんじゃないかなと、実体験を持って思います。
日本での経験がいかされたエピソードを聞かせてください。
- ウズベキスタン 佐藤さん(理学療法士)
-
日本には当たり前にあるものが、ウズベキスタンにはありません。いろいろ考えるきっかけになったし、工夫をすることも多くできています。
例えば、トレーニング用の重りは高価で、なかなか購入できません。そこで私は、ペットボトルに砂や水を入れた重りを作りました。養成校の頃からトレーニング用の重りに触れていたおかげで、トレーニングツールの代用品を作ることができています。
その他にも木のみをつかった道具等、現地にあるものでリハビリができるように工夫しています。
私が作ったものを、知らないうちに患者さんが持ち帰ったこともあります。ニーズに合ったものが作れたんだ、日本での学びがいかされたとポジティブに考えています。
佐藤さんが実際に活動先でのリハビリで使用している手作りツール。ペットボトルに砂や水を入れた重りを作られたそうです。
高校生・専門学校生に「学生のときにこれをやっておくと良いよ」とアドバイスすることは?
- キルギス 松下さん(理学療法士)
-
特に特別なことはなく、普段学習している基本的な知識や経験が役に立つと思います。
その中でも特に、
(1) 評価→解釈→介入 の流れや、全体像の把握を学ぶ
(2) エビデンスや最近の論文を読む習慣をつけておく
をおすすめします。
エビデンスがあると、自信を持って説明できます。私は習慣が役に立っています。
活動先の医療従事者に向けて、研修をしている松下さん。
海外で改めて感じたことややりがいは?
- ウズベキスタン 赤嶺さん(理学療法士)
-
・子どもたちが出来なかったことが出来るようになり、親が喜んでくれるとき
・現地職員へ伝達したことを実践するようになってくれたとき
やりがいを感じ、ウズベキスタンに来て良かったなと思います。
- キルギス 和田さん(作業療法士)
-
異文化理解への興味が深まり、改めて「キルギス人を理解したい」と思うようになりました。
相手を理解するコミュニケーションの積み重ねから自分のやりたいことができるのだと気づき、コミュニケーションを大事に活動しています。
活動先での和田さんと患者さん。
- 石井さん(作業療法士)
-
皆さんがキルギスやウズベキスタンで活動されていること自体が、各国と日本との繋がりを強くしているのだと改めて実感しました。
これまでのお話から、理学療法士・作業療法士は国境を越えてもいかせる資格だともわかってきましたね。
海外での経験をふまえて、帰国後にやりたいことは?
- ウズベキスタン 佐藤さん(理学療法士)
- 現職参加なので、海外での活動が終わったら北海道の病院に戻ります。法人のグループなどへ活動報告や国際協力の手助けとなる情報発信をしたり、住んでいるところで定期的に行われている国際交流イベントへ積極的に参加したりと、地域の国際協力を盛り上げていきたいと思います。
- キルギス 和田さん(作業療法士)
- 私も佐藤さん同様現職参加なので、前の職場に戻る予定です。職員に協力隊の参加経験を共有し、多文化を理解するきっかけを作りたいと思います。市の職員でもあるので、海外での仕事や生活の経験を、市の多文化共生を考慮した地域づくりに貢献していきたいです。
次回は、セミナー参加者から事前アンケートで寄せられた質問へ登壇者が答えます。
筆者が少し驚いたのは「水道水は飲めますか?」への返答でした。
お楽しみに!
土屋先生・奥平先生の活躍の一部は、Global YAKUZEMI NEWS Vol.10をチェック
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