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Vol.15 JICA海外協力隊の理学療法士・作業療法士が登壇「公開セミナー」を開催しました(3)
薬ゼミ情報教育センター国際事業部がJICA(独立行政法人国際協力機構)の協力を得て、2024年7月6日(土)にハイブリッド開催した「世界で活躍するリハビリ職種から学ぶ【公開セミナー】」。今回はレポート第3弾です。
レポート第3弾の今回は、JICA海外協力隊の活動を具体的に聞いてみましょう。
どんな職場?どんな活動をしているの?
- キルギス 松下さん(理学療法士)
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国立母子総合福祉センターで、小児外来と入院(ベッドサイドを含む)の運動療法を担当しています。勤務時間は月~金曜日の8時~16時です。
リハビリテーション部(リハビリテーション医、マッサージ師、看護師(物理療法士)、運動療法士)と共に、チームでリハビリをします。
職員の誕生日をみんなで祝う、和気藹々とした職場です。
リハビリは主に3職種に分かれており、日本で言うと次のようなイメージです。
(1) 診察結果に基づきリハビリの処方箋を書く リハビリテーション医
(2) マッサージをする 物理療法士
(3) 運動療法をする 運動療法士日本では(2)(3)を理学療法士が担います。理学療法士が患者さんの状態を評価し、患者さんにあった目標やリハビリ計画を立てて、チームで連携して治療を行います。
一方キルギスでは(2)(3)のそれぞれを別のスタッフが単独で担当し、患者さんにあった個別の目標設定やリハビリ計画を行うことはあまりありません。
特徴的なのは、(2)のマッサージがリラクゼーションではなく症状に合わせた強い刺激であることです。強い刺激により脳の活性化ができるとイメージされており、泣く子どもが多くいます。
職場には未熟児病棟や集中治療室など、様々な設備があります。
私は技術伝達を意識して、できるだけ同僚たちと一緒に活動します。文化や考え方に戸惑うこともありますが、できるだけ同僚と仲良くなるようにキルギスの考え方を否定せず、働き方を称賛しながら「少しずつ日本の考え方を取り入れて貰えたらいいな」と思って日々活動しています。
- キルギス 和田さん(作業療法士)
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私は松下さんと同じ国立母子総合福祉センターで活動していますが、活動場所は松下さんとは異なり、小児の神経内科病棟です。神経内科の入院病棟にリハビリ職種はおらず、医師や看護師と連携し、ほぼ単独でリハビリを行っています。回診に同伴することも多いです。
入院病棟には実習生や研修医が多く訪れるので、日本のリハビリを紹介したり、勉強会を開催したりしています。
神経内科病棟で、個別リハビリテーションを行う和田さん。
- ウズベキスタン 赤嶺さん(理学療法士)
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私は国立児童社会適応センターで活動しており、主に下記の3つのことを取り組んでいます。
(1) 子どもが楽しめる訓練の立案
(2) ホームプログラム 家でできる自主訓練の提案
(3) 同僚への技術伝達(1)には、ウズベキスタンのリハビリテーションは子どもも大人も同じで、泣く子どももおり、楽しくないという背景があります。そこで私は、子どもが楽しんで訓練できるように「おもちゃなどを使って遊びの中に訓練を組み込む」ことを実践しています。例えば、ボールを同僚のところまで運ぶおつかいをして貰います。
(2)の例としては、足で紙を拾って他のところへ移す訓練があります。
- ウズベキスタン 佐藤さん(理学療法士)
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私は国立リハビリテーションセンターで活動しています。
国立病院ということで各地の関連病院からスタッフ視察が多くあり、リハビリを見せたり、ディスカッションをしたり、日本のリハビリを紹介したりとする毎日です。臨床実践指導や、各地へ行って勉強会を担当することもあります。
- 石井さん(作業療法士)
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国が違うと職種もやり方も違いますね。研修講師などいろんな仕事が増えて、やりがいもあるのかなと思いながらお話をうかがいました。
日本の常識を押し付けて「強い刺激で子どもを泣かせなくても…」などと言いたくなってしまいますが、協力隊の皆さまは流石ですね。相手の考え方や働き方を称賛しながらできるだけ仲良くなれるようにと努められているお姿に学びを得ました。
このコミュニケーションの取り方は、日本国内でも必ず参考にできますね。
次回は、各登壇者へ大変だったことや日本での経験がいかされたエピソードを伺います。
筆者が最も実感したのは「柔軟な対応って大事」でした。
お楽しみに!
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