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薬剤師の皆さんと考える「患者にとっての健康とは?」

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「あの本」は、こんな想いで書かれていた――
2019年、書籍「医者・病院・薬局 失敗しない選び方 考え方」が発刊。
がんサバイバーの鈴木信行さん(患医ねっと代表・通称ノブさん)が
病気と健康、よりよい医療との付き合い方について
患者の立場からわかりやすく紐解く、薬局の待合スペースにぴったりの1冊

今回、発刊を記念してTHINK CUBEはノブさんとコラボ!
薬剤師に向け、「医療者に一緒に考えてほしい患者のこと」について連載いただきます。
書籍が一部無料で読めるうれしい特典つき!

患者の生活を一緒に考える

1.薬剤師の皆さんと考える「患者にとっての健康とは?」

私は二分脊椎症という病気による生まれつきの身体障がい者で、さらに治せる見込みが極めて低いがん患者。そんな私が、「病気でも健康に生きるために」という副題の本を出版することに!

この出版をきっかけに、THINK CUBEとコラボして、本の中から薬剤師が患者に向き合う際に役立つ内容をいくつか紹介する新コーナーがスタート。

本では、いきなり質問から入る。

「あなたにとっての健康とは?」

有名な方がテレビで「〇〇は健康にいい」と言えば翌日にはスーパーでその商品が品切れ!
雑誌に並ぶのは「健康のために」という宣伝の言葉!
まるで、「みんな健康大好き社会」!?

あなたはこんな社会がおかしいと思わない?

-薬剤師のあなたには、患者の「健康観」を一緒に考えてあげてほしい。

病気を治すことが健康になることではない
私の体内にあるがんは、着実に大きくなってきている。でも「健康」だよ。
どうしてか?

WHO憲章の定義では、健康をこう示している。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」

健康とは、肉体的、精神的、社会的に満たされることが必要だ。
健康という言葉はとても幅広い意味を持つ。
肉体的に弱くても、精神的・社会的に弱くなければ大丈夫。
つまり、一人ひとりの「健康な姿」はすべて違うわけ。

当然、私とあなたの「健康な姿」だって違う。目指すべき健康観だって異なる。
いま目の前の患者の健康観を一緒に考え、それをあなたが大切にしてあげることで、きっと今までと違う絆が生まれるはず。
服薬指導もしやすくなるはず。

そうすれば患者からしても、「自分の」健康を強く感じられるはず。
「先月は山登りに行くって言ってたけど、どうだった?」
「お孫さんに会ってきた?」
そんな、一人ひとり違う「健康な姿」についてのやり取りが交わされる薬局の情景がどこでもみられることを私は期待している。

鈴木信行
鈴木信行

ノブさん/鈴木信行(すずきのぶゆき)

ペイシェントサロン協会会長、患医ねっと代表。二分脊椎症による身体障がい者。
精巣がん、甲状腺がんのダブルがんサバイバー。
北里大学薬学部等の非常勤講師。
患者視点から全国で講演活動を続ける傍ら、薬局・薬剤師への期待を熱く語る。
「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方 ―病気でも「健康」に生きるために」(さくら舎)を2019年1月に出版。


【無料公開】
好評発売中の著書「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方」より

「健康」を考えるススメ

自分にとっての健康とは?

 自分の健康観を、時々でいいので考えてみるのが大切だと私は考えています。
 本当にいろいろな回答があるものです。
 私は、
「家族が笑顔でいられること」
「おいしくお酒が飲めること」
 ですね。答えが一つに決まっているものではありません。
 健康のイメージは、人それぞれ。いままでの生活、経験、思想、環境などによって、異なるとともに、必ずしも「病気にならない」「医療にかからない」という意味ではないことを実感してみましょう。
 ふだんの生活のなかで何気なく使う「健康」という言葉。
 例えば「健康のために毎日一万歩を歩きましょう」というセリフも、合う人と合わない人がいるということ。「健康のために~」と聞いて、食事や生活スタイルを変え、新しい何かに取り組んでいる方が多いですが、それは本当に自分の考える健康──「健康な生活像」に合っているのでしょうか?
「健康によい」という言葉に振り回されていませんか? 健康とは人によって違う意味をもっているのです。自分に合った「健康によい」をしっかりと見極められる知恵を、この本を通して、一緒に考えていきましょう。

 私の言う健康とは、「生きる目標があり、それに向けて自らの意思で行動できること」です。
 私は、日本の医療を取り巻く環境や習慣を変えたいという強い思いがあり、そのためには市民の意識を「主体的に」変えるという目標があります。そのために、こうやってパソコンに向かい文章を書き、講演や研修の講師として各地を回り、日々何をするかを、私自身の意思によって決めています。
「健康」という言葉について、もう少し深く考えていきましょう。
「平成26年度版 厚生労働白書」という厚生労働省が発刊した文書のなかで、健康について次のように書かれています。

「『健康』といえば、まずは身体的なものを思い浮かべることが多いのではないだろうか。しかし、ただ表面上病気でなければいいというものではない。肉体的にも、精神的にも、更には社会的に見ても、全てが良好な状態でなければ、健康とは言わない」
(「平成26年度版 厚生労働白書」2ページより抜粋)

 つまり、健康とは、病気をしないことや医療の世話にならなくてもいいことではなく、心が落ち着き、生活に困窮することなく、平穏な日々を確保できてこそ、得られるのですね。
「肉体的に良好な状態」。自分を振り返るといかがですか?
 一言で言えば、病気になっていない、ということですよね。風邪やねん挫などのように、ほぼ完ぺきに、時間をさほどかけずに治る病気ならば、さほど健康に関する問題にはならないでしょう。しかし、私が患っているがんや、糖尿病のように、治るのに時間や手間が必要だったり、そもそも治らない病気があると、肉体的健康とは言えなくなるのかもしれません。医学や医療とは、まさに「肉体的に良好に保つためにある技術」と言えます。

「精神的に良好な状態」。自分を振り返るといかがですか?
 毎日の生活や仕事のなかで、イライラやプンプン! がなく、寝る前に「今日も一日が楽しかったなぁ~。明日もいい一日を過ごせそう!」と思えたら素敵ですね。精神的な安定のためには、オフの日にはスポーツジムに行くなど、自分の趣味をもち、意識的にそういう時間を優先する方も多くいますよね。

「社会的に良好な状態」。自分を振り返るといかがですか?
 自分の住む家があり、明日の生活に不安がなく、当面は困らない毎日が続く。人によっては肩書があることで安心する方もいるでしょうし、仕事があることを望む方もいるでしょう。社会的な立場や地位も年齢が高くなるほど気になるものですし、通帳に記載されている金額からわかる生活費だって、自分の社会的な健康のためには必要な要素なのです。


鈴木信行

医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方
-病気でも「健康」に生きるために

著者 : 鈴木信行
出版社 : さくら舎
価格:1400円+税

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