ガイド 道具箱パワーツールの総合的な使い方
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薬剤師の困った! を解決するコミュニケーションの道具箱
ガイド 道具箱パワーツールの総合的な使い方
患者さんとのコミュニケーションに使えるパワーツールを紹介します。
ガイド 道具箱パワーツールの総合的な使い方
ーすべての患者さん、医師等のメディカルスタッフに、職場・家庭でー
コミュニケーションに役立つ道具箱パワーツールの総合的な使い方を紹介します。
◆使い方
●道具箱パワーツールの総合的な使い方
- ・心地よいコミュニケーションを行うと、相手の主体性が高まり、お互いに充実感を感じる
すべての患者さんに使える
9回にわたって連載したコミュニケーションの道具箱。パワーツールそれぞれが個別ではなく、総合的な力として発揮されると充実した会話が増加します(図)。
最初に重要なのが観察力(第1回)。相手の状態を把握することからスタートします。そして基本の態度(第2回)を整え、相手の話をしっかり聴き始めます。あなたのとる態度が無意識であっても相手に反映します。
うなずき、あいづちでしっかり聴いていることを相手にわかるように伝え、会話の内容に合わせて自分の態度を変えていきます(ステート、第4回)。あなたが話すときは、相手の話すペースよりややゆっくり(ペーシング)、薬剤の専門家として話すときはその旨を話す許可をとります(許可をとる投げかけ、第3回)。許可をとることにより相手の受け入れが高まり、伝わりやすくなります。相手が話したことを自分の枠組みのみで理解せず、相手の伝えたい本当のことをバックトラック(第5回)を用いながら、もう少し教えて(第6回)と聴いていきます。これにより、こちらから伝える内容がより的確になります。
そして伝え方は自他尊重の自己表現(アサーティブ、第7回)で行います。大切にされているという気持ちが伝わり、相手が行う行動の実現性が高まります。しかしながら、なかなか行動に移らない人の場合には、その人のメリットや歓喜のある未来を聴きます(第8回)。自分のメリットや喜びのある未来のために人は動きたい気持ちを高めます。
さまざまな人とコミュニケーションをとる薬剤師の仕事。相手が怒っている場合があります。患者さんが怒っているときに何か理由があるのだろうと一旦怒りを受け止めると怒りの感情が和らいだり鎮まったりする場合があります。また、あなたの中に怒りの感情が出てくるときもあるでしょう。あなたに怒りの感情が出てきたとしても、怒る必要のないことには怒らないようになる許容範囲を広げていくことができます(アンガーマネジメント、第9回)。
観察することと、ご自身の基本的態度にまずは注意を払い、誰とでも良好なコミュニケーションをとることができる達人に成長されることを期待しています。
使用上の注意
自分の体調や気分がコミュニケーションに影響します。日々の体調を整え、上機嫌でいることを心がけてください。体調や気分がすぐれないときは、よいコミュニケーションが行えない状態にいることを認識して、その時間帯はコミュニケーションの量を減らすか、いつも以上に注意を払って行うことが望ましいです。
コミュニケーションの道具箱
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第9回 アンガーマネジメント
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第8回 患者さんのメリット・歓喜のある未来を聴く
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第7回 アサーティブ 自他尊重の自己表現
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第6回 もう少し教えて、〇〇っていうのは
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第5回 バックトラック
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第4回 うなずき・あいづち・ステート
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第3回 ペーシング・許可をとる投げかけ
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第2回 基本の態度:無条件の肯定的受容・共感的理解
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第1回 観察力・寄り添う問いかけ
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